マイニングの報酬としてビットコインがもらえる

マイニングで得た通貨は儲け?それとも「物の譲渡」?

ブロックチェーン技術を応用したビットコインや他の仮想通貨は、取引台帳を作成・管理するためのホストコンピュータを必要としません。
その代わりに、誰でも自由に参加することができるマイニングと呼ばれる作業によってシステムが運営されています。

マイニング(採掘)を行うためにはパソコンやグラフィックボードなどの計算機とインターネット回線・電気を必要とします。
システムの運営に協力する見返りとして、マイニング作業に参加すると新規に発行されるコインが報酬として与えられます。

ビットコインの場合は2017年時点で、一定の課題を解いて得られる正答(key)を得ることができたマイナーに対して12.5BTC(約810万円)と、新たに生成されたブロックに含まれる取引で支払われた送金手数料に相当するコインが与えられます。

ビットコインは仮想通貨取引所で日本円に換金をすることができます。

得られたビットコインを仮想通貨取引所で日本円に換金して出金をすれば、計算機の購入費用や電気代・インターネットの接続料、換金時に徴収される手数料・振込手数料などを差し引いた分がマイナーの収入(利益)となります。

ビットコイン取引情報のブロックチェーンを繋いだ対価の扱い

ビットコインや他の仮想通貨のマイニングに参加して採掘した“報酬”は日本円ではなく、仮想通貨として与えられます。
このため、一見すると仮想通貨の採掘は、お金ではなくて物をもらった(譲渡された)ようにも見えます。

ところが実際にマイニング作業では、取引情報(トランザクション)を取りまとめてブロックと呼ばれるデータを作成し、SHA-256と呼ばれる関数を計算して課題の正答(key)を得ることで、新たに作成したブロックをブロックチェーンの末尾に繋ぐ作業をしていることになります。

これら一連の作業に対する対価として、新たに“採掘”されるコインが与えられます。
ビットコインのマイニング作業で得られる報酬は、ブロックチェーンを繋ぐ作業の対価とみなすことができます。

つまり、仮想通貨のマイニング報酬は誰かから物を譲渡してもらったのではなく、労働に対する報酬です。
実際にkeyを見つける作業をするのは人間の脳ではなくて計算機なので、厳密には仮想通貨のマイニング報酬とはコンピュータの維持・管理に対する労働の対価と考えられます。

ビットコインの採掘作業とは誰かから無料でコインを譲渡してもらうことではなく、ブロックチェーン作成という労働をして稼いだ報酬であると解釈することができます。